今は両親が存命でも、いずれどちらかが亡くなることが想定されます。今の親世代は母親のほうが年下で、しかも女性のほうが長寿ということもあり、父親が先に亡くなるパターンが多いといえます。

結論
母親が1人になった場合の「生活費」を想定
多くの場合、両親は生計を一にしており、2人分の年金で生活しています。しかし、父親が亡くなれば、年金は母親の分だけ。1人になったからといって、必要な生活費が半分になるわけではありません。
年金額は、現役時代の働き方やその期間、報酬額などにより違いますが、両親が揃っている場合と、母親が1人になった場合に得る年金額の例を次に示しました。父親が会社員だった場合は遺族厚生年金がありますが減額は大きく、自営業だった場合にはそもそも遺族年金という考え方はありません。
日本年金機構の年金相談に行けば、生前でも両親のどちらかが亡くなった場合の年金額の概算を出してもらうことができます。本人が行くか、代理の場合は委任状が必要です。
解説
両親それぞれの介護方法を考える
例えば、父親を施設で介護していたようなケースで、父親の死後、次は母親を施設介護しようと考えるかもしれません。しかし、父親のときには施設費用を両親の年金でまかなえたが、母親が1人になるとまかなえないという可能性も出てきます。多くの場合、親が1人になれば使える年金は減ることを想定し、介護方法を考えなければなりません。
なお、父親の死後、通常、母親は「寡婦」となります。課税されている母親は寡婦控除できているかを、必ず確認しましょう。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」