介護という行為は子が担うことが多いですが、それはあくまで親の自立を応援するために行うこと。ですから、そこにかかる費用は、原則、親のお金をあてるようにしましょう。
結論
介護費用は、原則、親のお金をあてる
親のお金をあてるには、そもそも親がどれくらいのお金を持っているかを知らなければなりません。
月々の年金額や預貯金の額は?ローンは残っていないか?有価証券や自宅以外の不動産はあるか?……など、知りたいことはいろいろあります。
実際、聞き出してみたら、かなりのローンが残っていることが判明して仰天した、という子もいました。主に、次のような内容は確認しておきたいところです。住民税が課税か非課税かも確認を。
親の資産を把握することが大切だと分かっていても、どのようにして聞き出すか、多くの子の悩みどころです。下手に聞こうとすると、「財産を狙っているのか」と親は気分を害します。
解説
知っておきたい親のお金事情
- 預貯金(キャッシュカード、暗証番号は知ってる?)
- 年金(月々の受給額は?)
- 民間医療保険・生命保険(保険証券の保管場所は?)
- 不動産
- ローン・負債
- 住民税課税? 非課税?
「お金の話」ができる親子関係
ダイレクトに聞いてうまくいくケースがある一方、知人の体験を話しながら聞き出すのも一案です。いずれにしろ、子が自身を心配して聞いているということが伝われば、親は教えてくれるでしょう(強引に聞くと、法に触れるので注意を!)。
お金の話ができるのは、普段から親子の対話ができていてこそだと思います。今後、終末期をどのように迎えたいかなど、デリケートな話題は増えていきます。対話を重ね、深いテーマについても話し合える関係でありたいものです。
親のお金事情の尋ね方例
ダイレクトに聞く
「いざというとき、どのお金を使えばいいのか教えて?」
他人の事例を出しながら聞き出す
「幼なじみの○○のお父さんが倒れた時、入院費などが必要なのに、どこにどんなお金があるか分からなくて困ったらしいよ」
確定申告の手続きを利用する
医療費が10万円を超えるような場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられる。その旨を説明し、「確定申告の手続きをしてあげるよ」と、通帳や保険証券などの金銭書類を確認(ただし、親が「言いたくない」と言えば、強引に聞き出すのは法に触れるためNG)
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」