入院すると、その後の通院治療も含め医療費がかさみます。高齢の親の場合、複数の医療機関を受診していることもあるでしょう。そんな医療費を軽減する制度が、「高額療養費制度」です。同じ月のなかで、医療機関に支払った医療費の一部負担金を合算して、自己負担限度額を超えた部分について払い戻しを受けることができます。
結論
負担するのは「限度額」まで
75歳以上の親であれば、保険証を保険医療機関に提示することで(70歳から75歳は高齢受給者証を提示)、窓口で支払う1か月分の医療費が一定の金額(自己負担限度額)までとなります。さらに、住民税が非課税世帯の場合は、「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」を入手(役所に申請する)して提示することにより、保険医療機関の窓口での支払いが軽減されます。
限度額を超えて払い戻しがある場合は、初回のみ申請書が送られてきます(2回目以降は登録した口座へ自動的に振り込まれる)。
解説
高額療養費の計算方法
高額療養費については、同じ月の初日から末日までの1か月の受診について計算されます。また、同じ世帯に後期高齢者医療制度など同じ医療保険に加入する者が複数いる場合には、入院・外来・診療科の区別なく自己負担額を合算できます。つまり、両親の負担を合算できるということです。
ただし、入院時の食事にかかる費用や差額ベッド代など、保険診療の対象とならないものは高額療養費の計算には入りません。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」