「身体障害者手帳」の交付を受けていない親も、自治体ごとに決められた所定の要件に該当すれば、「障害者控除対象者認定書」を交付され、障害者控除を受けられるケースがあります。介護保険の認定で要介護4、5だと該当するケースが多いでしょう。
結論
例えば埼玉県深谷市では、要介護3から該当します。控除を受けられれば税法上は「障害者」となり、税金が安くなるだけでなく、「住民税非課税」の対象となる枠が拡がります。
解説
身体障害者手帳の取得手続き(東京都の場合)
- 市区町村の障害福祉担当窓口に問い合わせ、申請用紙をもらう
- 医師(身体障害福祉法第15条の指定医)を受診して、診断書を交付してもらう
- 障害福祉担当窓口に、申請用紙と診断書を提出
- 更新書類が東京都知事(心身障害者福祉センター)へ送られ、障害認定が行われる
- 手帳交付が決定すると、市区町村の障害福祉担当課に交付され、申請者に交付される
障害者手帳と介護保険の申請は重複OK
介護保険を利用していると身体障害者手帳の交付を受けられないと考えている人がいますが、両方の申請を行うことに問題はありません。この手帳は、身体に障害がある人の自立と社会経済活動への参加を促進するために交付されるものです。区分は1級から7級まで設けられ、申請は自治体の障害福祉の担当窓口に行います。脳梗塞の後遺症などで寝たきりになった場合にも、申請を検討しましょう。
逆に、すでに障害者手帳の交付を受けている親も、介護保険の申請を行うことはできます。介護保険と障害者のためのサービスで重複するものについては、介護保険のサービスが優先されます。
アルツハイマー型認知症などの診断を受けた場合には、「精神障害者保健福祉手帳」を申請できる場合もあります(等級は1級から3級まで)。
障害者手帳により受けられるサービスに、税の減免や医療費の補助、公共料金の割引、タクシー利用補助などがあります。内容は自治体によって異なるので、詳細は親の暮らす役所の障害福祉の窓口に問い合わせましょう。何らかのメリットがあることが分かったら、申請を検討すればいいと思います(高齢者の場合、若い世代よりも利用できる制度やサービスが限定される)。
また、寝たきりなど重度な介護を要する場合には「特別障害者手当」を受給できる可能性も。月額2万6940円です。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」