心身の具合が悪くなると、食事の用意が難しくなることがあります。特に、親だけで暮らしているケースでは心配です。そこで役立つのが「食事の宅配サービス」です。介護保険のサービスにはありませんが、多くの自治体が「地域支援事業」として行っています。また地域のボランティア団体などが実施している場合があり、民間企業の参入も増加しています。
自治体が行っている場合は、助成があるので比較的安価です。ただ、対象者となる条件は自治体ごとに違い、必ずしも利用できるとは限りません。毎日は提供していないところもあります。自治体やボランティアサービスに適当なものがなければ、民間サービスをあたるといいでしょう。試食できれば、親の嗜好に合ったところを選ぶことも可能です。気をつけたいのは、食事をするのはあくまで「親」だということ。しばらく利用すると、「味に飽きた」と親が言い出すことはよくあります。情報をたくさん集めていれば、「それでも、食べろ」と言わずに、他のサービスを提案することもできるでしょう。

結論
利用対象者
- 介護保険の要支援・要介護認定者、または虚弱で調理が困難
- 一人暮らし、または高齢者のみの世帯 など
費用負担
- 1食あたり数百円
その他の特徴
- 配達の際は安否確認をし、利用者の様子を確認したり声かけを行う
- 自治体によっては利用回数に制限がある場合もある
解説
手渡しなら安否確認も兼ねる
配達は「手渡し」を原則としている事業者が多く、安否確認にも役立っています。なかには、利用者に異変があった場合に家族などに通報してくれるところもあります。実際、食事の宅配業者が家のなかで倒れている高齢者を早期発見した事例や、不幸にして亡くなっている高齢者を発見した事例をしばしば耳にします。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」