ここまで主に介護保険のサービスを紹介してきましたが、サービスは他にもあります。高齢者向けのサービスは、次表の4つに大きく分類できます。

結論
高齢者向けサービスの種類と内容
①介護保険のサービス | ②自治体の地域支援事業 | ③地域のボランティア・NPOのサービス | ④民間企業のサービス | |
利用条件 | 自治体の窓口などに要介護認定の申請をし、要支援や要介護の認定が必要 | 要介護認定の「要支援者」「基本チェックリストの該当者」「地域に暮らすすべての高齢者」 | 特に条件なし | 特に条件なし |
サービスの種類 | 概ね全国一律 | 自治体独自の判断 | 提供団体により異なる | 事業者によりサービス内容、水準は異なる |
費用負担 | 介護認定の利用限度基準額内であれば、1割または2割負担 | 無料や低価格、また現物支給などさまざま | 全額自己負担だが、比較的低価格 | 全額自己負担 |
情報入手先 | 親の暮らす自治体の担当窓口、地域包括支援センターなど | 親の暮らす自治体の担当窓口、地域包括支援センターなど | 地元の社会福祉協議会、地域包括支援センターなど | 各事業者、インターネット、クチコミなど |
これらのうち、②「自治体の地域支援事業」は、要介護度の低い「要支援者」、「基本チェックリストの該当者」に提供される訪問型・通所型サービス、食事の宅配や安否確認などがあります。その他、地域に暮らすすべての高齢者が受けられるサービスもあります。役所が実施するものなので、比較的安価です。2章21でも紹介しますが、さまざまなサービスが用意されています。
③「地域のボランティア・NPOのサービス」は地域に暮らす人々が実施するサービスです。地域には必ず「社会福祉協議会」という半官半民の機関があります。そこでは、住民参加型の「有償ボランティアサービス」(1時間700〜900円ほど)をネットワークしているところも。さらに、地元のボランティア団体やNPOが行う福祉サービスの情報も収集しています。そして、④は「買う」サービスとなります。
解説
親が暮らす地域の情報を得る
②〜④のサービスは、自治体によって違いがあります。そこで、親の暮らす地域の情報を集めることが重要です。①〜③については、地域包括支援センターに問い合わせれば内容を確認できます。③は社会福祉協議会の情報量が多いかもしれません。④の民間サービスは、インターネットでの情報収集や地域のクチコミが役立ちます。
例えばこんなサービス
悩みごと | 解決策 | 問い合わせ先 |
---|---|---|
炊事が面倒、できない | 食事の宅配サービス | 自治体、社会福祉協議会、民間事業者 |
重いものの買い物が大変 | スーパーや生協の個別宅配、ネットスーパー(子が買い物を代行) | 民間事業者 |
ゴミ出しに困っている | ゴミの持ち出し集取、戸別収集サービス | 自治体 |
車の運転が危ない | コミュニティバス | 自治体、社会福祉協議会 |
お金の管理が心許ない | 日常生活自立支援事業、成年後見制度 | 社会福祉協議会、家庭裁判所 |
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」