親の家は段差だらけで転倒が心配、、、
退院してきたものの、家のなかは段差だらけ。親が暮らす古い住宅は、いまだ和式便器……なんていうこともあるでしょう。
結論
心身機能の低下した親が安心して安全に暮らせるよう、介護保険では要介護度に関係なく20万円を上限に「住宅改修費」が支給されます(自己負担は1割または2割、3割)。
解説
住宅改修で注意するポイント
まず、忘れてはならないことは「事前の申請」です。着工後の申請は制度の対象となりません。事前にケアマネジャーや地域包括支援センターに、高齢者のための住宅改修を得意とする業者の選定とあわせて実施について相談しましょう。
複数の業者から見積書を取ります。1回の改修で20万円を使い切らずに、数回に分けて使うこともできます。改修後に引っ越した場合や要介護度が著しく高くなった場合、再度支給を受けられます。施設入居、入院中の場合は改修できませんが、退所・退院を前提とした改修なら可能。退院後の生活のために入院中に改修するのも一案です。対象となるのは介護保険証に記載されている住所地(=住民票上の住所)の住宅のみです。
また、例えば、両親ともに介護保険で介護や支援が必要だと認められているケースでは、40万円まで使うことができます。ただし、1件の工事に重複して使うことはできません。父親の分は手すりに、母親の分は段差解消に、といった具合に分ける必要があります。さらに、自治体によっては、独自サービスとして住宅改修を助成しているところもあります。その場合は、介護保険の20万円と合算できる可能性があるので、事前にサービスの有無や利用方法を確認しましょう。
介護保険が適応される住宅改修
手すりの取り付け
例:トイレ、浴室、洗面所、廊下、玄関周り、階段など
段差の解消
例:玄関周り、廊下、トイレ、居間など
滑り防止及び移動の円滑化などのための床または通路面の材料の変更
例:階段、浴室、玄関周り、和室など
引き戸などへの扉の取り替え(扉の撤去を含む)
例:トイレ、浴室など
洋式便器などへの便器の取り替え
その他上記に付帯する必要な工事
例:手すりやスロープ設置のための下地工事など
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」