「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」とは、民間事業者などによって運営され、都道府県単位で認可・登録された高齢者向けの賃貸住宅です。「特定施設」の指定を取っているサ高住は介護施設という位置づけですが、それ以外は自立あるいは軽度の高齢者を対象としています(実際は重度であっても受け入れるところも少なくない)。個室の広さは18㎡ほどのところが大半です。

結論
施設ではなく「住宅」
必ず付いているサービスは「安否確認サービス」と「生活相談サービス」(その他のサービスの有無は、サ高住ごとに異なる)。ケアの専門家が少なくとも日中、建物に常駐して入居者に対応します。夜間はスタッフの常駐がないところもあります。
解説
介護の度合いが重くなった場合
住宅型のサ高住では、介護が必要になった場合は、自宅と同様に介護保険の居宅サービスを利用することになり、1割または2割、3割を自己負担します。介護事業所が併設しているサ高住では、そちらのサービスを利用するケースが多いようです。
入居を検討する際には、要介護度が重くなったらどのような暮らし方ができるのかを確認することが大切です。実際、要介護度の重い入居者の暮らし振りをを聞いてみましょう。
費用的には、介護保険の限度額内で収まらなくなるケースが多い、と考えたほうがいいでしょう。食堂などの共用スペースがあるところも多いですが、元気なうちは1人で食堂に行けても、それができなくなったときにどうなるか。連れて行ってもらうための介助費用が、オプションで発生する可能性もあります。1回のサポートごとに500円といったところも……。逆に、自室に食事を届けてもらうにも費用は発生するでしょう。詳細はそれぞれのサ高住ごとで違うので、消費者の視点で慎重に検討することが大切です。
死亡以外の施設の退去理由とは?
介護付ホーム
- 医療的ケアニーズの高まり
- 経済的な理由による負担継続困難
- 要介護状態の進行による身体状況の悪化
- 心身の状態の回復に伴う自宅復帰
- 家族・親族との関係再構築、同居開始など
住宅型ホーム
- 医療的ケアニーズの高まり
- 要介護状態の進行による身体状況の悪化
- 経済的な理由による負担継続困難
- 認知症の進行による周辺症状の悪化
- 心身の状態の回復に伴う自宅復帰
サービス付き高齢者向け住宅
- 医療的ケアニーズの高まり
- 要介護状態の進行による身体状況の悪化
- 認知症の進行による周辺症状の悪化
- 経済的な理由による負担継続困難
- 集団生活が困難(他入居者とのトラブル多発、かかわり拒否)
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」