少人数で家庭的なケアを行う
「認知症高齢者グループホーム」とは、認知症の高齢者が家庭的な雰囲気のなか、5〜9人で共同生活を送りながら、日常生活の介護を受けるところです。居室、居間、食堂、浴室などを備え、利用者がそれぞれ役割を持って家事をするなどして、認知症の症状の進行を緩和し、安心して日常生活が送れるようにすることを目指します。食事・入浴などの介護や支援、機能訓練が受けられます。
「施設」というよりも「家庭」に近い雰囲気なので、自宅にいたときに近い生活ができます。
結論
基本的に住民票のある地域限定で利用
利用できるのは、要支援2と要介護1〜5で認知症と診断された高齢者です。6章2で説明した「地域密着型サービス」にあたるので、原則、施設のある市区町村に住んでいる人が対象となります。
サービスにかかる費用は、要介護度ごとに決められたサービス料の1割または2割、3割。さらに、食費、居住費、日常生活費は別途負担となります。原則としてプライバシーを保てる個室(ユニットケア)で生活することになり、月額12〜18万円くらいが目安です。居住費は「家賃」に相当するため、通常の賃貸同様、立地の良し悪しで金額に幅があります。別途、入居一時金が30〜100万円程度必要なところもあります。自治体によっては、居住費・食費の負担を軽減するための補助を行っているところもあるので確認しましょう。
グループホームは、医師・看護師の常駐がないため、医療依存度が高くなると退去しなければならないことが一般的です。
解説
グループホームとはどんな施設?
居室
原則、個室。1つの居室面積は、収納部分を除いて7.43m2(4.5畳)以上
トイレ
施設によって、各部屋にある場合と、教養の場合がある
共用設備
居間、食堂、キッチン、浴室
費用
- 初期費用として、入居一時金または保証金を支払う
- 入居後に月額利用料として生活費(居住費、食費など)を負担(利用料は、月12〜18万円程度が目安)
- 月額利用料とは別に、介護保険のサービス費 1割または2割、3割負担が加算
要介護度
利用できるのは、要支援2〜要支援5(東京都内の利用者の平均要介護度は2〜3)
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」