有料老人ホームの支払い方法には、「入居一時金方式」と「月額払い方式」があります。前者は、入居後の居住費を事前に支払うもので、最近は「前払い金」と呼ぶようになっています。後者は、前払いしないで家賃分を毎月支払う方法です。
次のように、入居時にその一部を初期償却、残りの金額が年数で少しずつ償却されていきます。初期償却率は20〜40%、償却期間は5〜7年くらいのところが多いです。

結論
入居一時金ゼロの有料老人ホームも増加
入居一時金は返還トラブルとなりやすいため、入居後3か月以内に解約した場合は、家賃相当分と実際のサービスにかかった費用以外の入居一時金は要返還というクーリングオフ(90日ルール)が法制化されています。こうした流れも影響し、最近は月額払いのホームが増加しつつあります(親が入居一時金を支払う施設に入居したものの馴染めそうにない場合、退去の決断は90日以内に)。
解説
倒産のリスクもある
有料老人ホームに限りませんが、介護関連事業を行っている会社にも倒産リスクがあることを理解しましょう。現在のところ、大半は在宅の訪問介護、通所介護の事業者ですが、施設にも倒産の波は押し寄せています。
有料老人ホームには、500万円を上限に入居一時金の一定額(まだ住んでいない分の家賃)が保全されるという、「一時金の保全措置」が義務づけられています。入居一時金を支払う場合は、6章13で説明する「重要事項説明書」に記載されているので、必ず確認してください。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」