結論
認知症カフェってどんなところ?
各地域には認知症カフェと呼ばれる、認知症の人とその家族、専門職、地域住民が集まる場があり、その数は全国で7023か所(2018年現在)あります。認知症カフェは月1回、2時間程度の開催が最も多く、介護施設内や介護経験者の自宅、地域のコミュニティスペースなどで行われていて、行政、介護家族、介護事業者、病院などが運営しています。カフェの内容は、認知症介護の相談、認知症の人が歌や工作などを楽しむプログラム、認知症の知識や介護に関する勉強会など様々で、参加費は無料から数百円程度に設定されています。認知症カフェの開催は、役所や地域包括支援センター、社会福祉協議会、インターネットなどで情報を入手できます。
認知症カフェに参加するメリット
認知症の親
- 地域との接点を増やせるので、地域で暮らしやすくなる
- 認知症の不安が軽減される
- 認知症の症状の進行を緩やかにできる
- 生きがいや自分らしさを取り戻せる
家族
- 他の家族と情報交換ができ、介護の工夫を学べる
- 専門職に相談できる
- 介護仲間ができ、孤独から解放される
- 悩みを吐き出すことができ、気持ちが楽になる
- 親が自分以外の人と話す姿を見て、考えるきっかけになる
専門職
- 地域住民と介護保険サービスをつなぐ入り口ができる
- 自分の専門職をどう活かすかを学べる
地域住民
- 認知症の人とどう接したらいいかわかる
- 認知症の理解を深めることができる
- 認知症介護の準備ができる
認知症カフェは生きた情報の宝庫
認知症カフェに参加すれば、先輩介護者や専門職から、親の住む地域の病院、介護施設、デイサービスなどの口コミや体験談を効率よく集められます。こうした生きた情報はインターネットではあまり見つかりません。介護仲間と知り合うことで孤独な介護から解放されますし、自分だけがつらい思いをしているわけではないという安心感も得られます。子が住む地域の認知症カフェに参加すれば、通いで介護している他の介護者に出会えることもあります。引きこもりがちな認知症の親が、カフェに参加することで、話し相手が見つかり、社会交流が広がることもあります。カフェの運営方針や他の参加者との相性もあるので、複数の認知症カフェに参加して比較してみるといいでしょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」