
解説
地域包括支援センターとは?
介護のことで不安があれば、まずは地域包括支援センター(以下、包括)に相談してください。包括は、公的な高齢者の無料相談窓口で、要介護状態になる前の予防を担当する保健師、高齢者の人権や財産を守る権利擁護や虐待問題解決などを担当する社会福祉士、介護全般に関わる相談に対応する主任ケアマネジャーなど、専門スタッフで構成されています。包括は小・中学校区に1つあって、担当エリアが決まっています。市区町村の広報やホームページなどで、親が住む地域の包括はどこにあるか、確認してみましょう。親と離れて暮らしている場合、親が住む地域の包括に電話で相談するか、直接訪問して相談しても構いません。訪問する場合は、電話で面談の予約をしてから行きましょう。包括を知らなかったために、介護保険サービスを利用せず、介護をひとりで丸抱えしている人や全額自己負担でヘルパーを雇っていたという人もいます。
認知症ケアパスを入手しよう
もし、親に認知症の疑いがあるなら、認知症ケアパスを入手しましょう。認知症ケアパスは、認知症の状態に合わせて受けられる、市区町村の様々なサービスや支援の連絡先などの情報をまとめた一覧表です。認知症かどうか分からない状態で利用するサービスと、認知症が進行してから利用するサービスは違うため、認知症の進行レベルに合わせて時系列で明記されています。認知症ケアパスは、役所や包括で配布しているほか、インターネットからもダウンロードできます。
地域包括支援センター
- 市区町村が設置している高齢者を支えるための相談窓口
- 対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその家族などが利用できる
- 保健師、社会福祉、主任マネージャーなどの専門スタッフが分担して業務
地域包括支援センターで相談できることの例
1. 生活における相談
- 「離れて暮らす独居の認知症の親の介護は何から始めたらいのか?」
- 「ひとりでテレビばかり見て、閉じこもって心配だ」
2. 権利を守るための相談
- 「振り込め詐欺の被害にあったかもしれない」
- 「悪質な訪問販売の被害にあった」
3. 健康な生活を送るための介護予防やサービスについての相談
- 「介護保険を使うにはどうすればよい?」
- 「介護予防のための健康教室の開催を知りたい」
- 「認知症予防のために、身体を動かす地域のサークルを知りたい」
4. 介護している家族の悩みについての相談
- 「病院に連れて行きたいが、うまくいかない」
- 「突然始まった介護に戸惑いを隠せない、介護同士が交流できる場が知りたい」
- 「地域の認証カフェの場所を教えてほしい」
ポイント
介護の相談は地域包括支援センターへ!認知症ケアパスを入手して地域にあるサービスを把握しておきましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」