
解説
ひとり歩き対策をしても外出する親
認知症の親のひとり歩き(徘徊)は、さまよい歩くのではなく、以前住んでいた家に帰らなくてはいけない、勤めていた会社に行かなくてはならないなどの目的を持っています。ただ、時間に関係なく外出してしまうこともあるため、対策が必要です。例えば、デイサービスやデイケアなど定期的に外出する機会を作ったり、昼間の運動を増やし、夜に眠りやすくすることで、夜間の外出を減らしたりする方法があります。それでも対策が不十分な場合は、親の命にも関わることなので、万が一の保険として、家の鍵で対策する方法をご紹介します。
鍵の対策を含め、複数の対策で対応する
玄関に複数の鍵を取り付ける方法がありますが、鍵の開け閉めに時間がかかってしまうので、シンプルに現在使っている鍵自体を見直しましょう。例えば、玄関の鍵がサムターン(室内側についているつまみ)方式であれば、サムターン自体を脱着できる鍵があります。また、親の家に介護で帰っているときは、家の内側からも鍵をかけられる両面シリンダー錠もオススメです。親が玄関ではなく、勝手口や窓から外へ出る場合もあるので、防犯対策等で使われる窓用サッシの補助錠や、窓用のシリンダー錠の対策も有効です。どんなにひとり歩きの対策をしていても、親が鍵を開けて外出してしまうこともあります。親が住む地域の認知症高齢者SOS見守りネットワークの登録や、必ず携帯するかばんにGPS機器をつけるなど、対策はひとつではなく、複数の対策を組み合わせることで、より強化されます。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」