結論
「認知症予防」は認知症になるのを遅らせること
政府が取りまとめた「認知症施策推進大綱」に書いてある認知症予防には、『「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味である』とあります。誰もが年を取るので、認知機能の低下は避けられません。社会との接点がたくさんあって、健康的な生活を送っていた方でも、認知症を発症します。イギリスの医学誌『Lancet』によると、認知症になる要因として、喫煙、運動不足、社会的孤立などは全体の35%でしかなく、残り65%は、我々にはどうすることもできないという研究結果が出ています。運動不足や社会的孤立は、デイサービスやデイケアなど、介護保険サービスを活用することで、ある程度の改善が見込めます。
親の身体機能の低下にも注目する
加齢による親の身体機能の低下が、認知症の原因となったり、進行を早めたりする可能性もあります。まずは親の聴力をチェックしましょう。難聴によって、耳からの情報量が減少すると、周囲や社会とのコミュニケーションも減って、認知機能の低下につながります。人が得る情報の8割は視覚と言われているので、目もチェックしてください。80歳以上のほぼ100パーセントが発症する白内障を放置しておくと、目がかすみ、視力が低下して、情報が遮断され、認知機能の低下につながります。認知症の症状ばかりに注目しがちですが、親の身体機能の低下が原因になっていることもあります。
認知症予防のガイドライン(WHO)
WHOは下記項目を管理することで、認知症の発症や進行を遅らせるとしています
強く推奨
- 正常者の運動
- 禁煙
- サプリメントを使わない
条件付き推奨
- MCIの人の運動
- 地中海式食生活
- 接酒・禁酒
- 脳トレ
- 体重コントロール
- 高血圧の管理
- 糖尿病の管理
- 脂質異常症の管理
十分な証拠がない
- 社会的活動
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」