認知症は数多くの種類がありますが、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症の4つが代表的です。
結論
認知症の種類と変化
最も割合が多いと言われるアルツハイマー型認知症ですが、医学博士の長尾和宏氏は、何でもアルツハイマーと誤診する医師もいるため、注意が必要だと述べています。脳神経外科医の平川亘氏は、特に80歳以上の高齢者は、複数の認知症が混合する可能性があると述べています。一度、アルツハイマー型認知症と診断されたからといって、一生同じ病型が続くとは限らず、状態は常に変化します。
解説
画像診断よりも大切な症状
平川氏は、CTやMRIなどの画像診断よりも、患者さんの症状はもっと大切だと述べています。家族は親の家での様子や異変を、しっかり医師に伝える必要があります。家では見られる認知症の症状も、医師の前では現れないことはよくあるので、病院を受診する前に、親と過ごしたり、ご近所や介護職の方から、親の最近の様子を聞いたりしてから、医師の診察を受けましょう。家での様子は、日頃からメモを取っておき、親の前で医師に伝えづらい場合は、そのメモを渡すといいでしょう。
認知症は、薬の服用で進行を遅らせたり、一時的に症状が改善したりしますが、基本は根治しません。それでも、治療によって進行を遅らせ、時間を稼ぐことで、家族が認知症を理解するようになり、介護に余裕が生まれるようになります。
突発性正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などは、病気を治療することで、認知症が治る場合もあります。
アルツハイマー型認知症
- 記憶障害
- 振り向き現象(質問の意図が分からないと、すぐ家族の方を向く)
- 言いわけ、取り繕い
レビュー小体型認知症
- 虚弱(見るからに弱々しい)
- 体幹の傾き
- 歩行障害(パーキンソン様の運動障害)、筋強剛(固縮)
- 幻視
- 夜中の大声、寝言
- うつ症状
- 失神の既往
- 薬剤過敏症
前頭側頭型認知症(ピック症)
- 易怒症、興奮、暴言
- 万引きなどの盗み癖
- 横柄、傲慢、自分勝手な言動
- 常同行為(同じ行動を繰り返す)
- 治療拒否
- 生活上のだらしなさ
- 甘いものを頻繁に好む、過食、異食
- 普通の話が通じない
脳血管性認知症
- まだらな症状(症状の波が激しい)
- やる気の喪失、陰気
- 感情失禁
- 夜間徘徊
- 昼夜逆転
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」