結論
親の収支を把握して、親のお金を介護費用に
離れて暮らす親の収入と支出を把握しておかないと、介護方針が決められないばかりか、子の家計にも影響します。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者世帯の51・1%が、年金のみの収入で生活していることが分かりました(2018年)。現在支給されている国民年金、厚生年金の平均額は次表のとおりです。次いで多い所得は、働いて得た収入、さらに不動産による収入や株式の配当などもあります。年金を補填するために入った、個人年金保険による収入もあるかもしれません。年金のみで生活する高齢者の割合は多いものの、不動産や預貯金など、老後に備えた財産まで含めて確認したうえで、できるだけ親のお金を介護費用に充てることを考えましょう。
認知症介護を在宅で行ったときの1か月の費用
認知症介護を、在宅で行った場合の1か月の費用の目安は次表のとおりです。親の毎月の収支がマイナスの場合、親の預貯金の切り崩しや、子が介護費用を負担することにもなり、子の家計に大きな影響を与えます。特に施設の利用は、在宅介護以上にお金がかかるので、親の収支と財産状況を把握してからでないと、簡単には決められません。ある調査会社のデータによると、親の預貯金を把握している50代は約4割、60代で約5割でした。年齢が上がるにつれ、割合が多くなることからも、介護がきっかけで親の預貯金を把握する方が多いようです。親に聞きづらいことではありますが、細かい金額まで分からなくとも、子が介護費用を捻出する必要があるかだけでも確認してみてください。
認知症の状態別費用(在宅介護:1ヶ月)
軽度認知症 | 中度認知症 | 重度認知症 | |
要介護1・2 | 39,171円 | 41,893円 | 28,445円 |
要介護3 | 68,386円 | 74,533円 | 53,911円 |
要介護4・5 | 34,572円 | 67,331円 | 70,409円 |
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」