
解説
30年以上経過した家電に注意
認知症の親に自立した生活を長く送って欲しいがゆえに、使い慣れた古い家電をあえて買い替えない場合もあると思います。壊れない限り長く使いたいという親の思いを尊重して、古い家電を使い続けている場合もあるでしょう。そこで注意しなければならないのは、家電の長期使用による経年劣化が原因の死亡、重傷、火災などの重大製品事故です。経済産業庁の調査によると、最も事故の多かった家電は扇風機で、次いで照明器具、石油ふろがまの順でした。実家にある30年以上経った家電は、必ず一度動作確認を行ってください。
前に使っていたメーカーの家電に買い替える
家電を買い替えるとき、子は親を思って便利な機能がたくさんついた最新式の家電を選びがちです。しかし、認知症の親が、新しい機能を使いこなせるかどうかは分かりません。新しい家電の操作が分からなくなると、使うことをあきらめてしまって、今までできていた生活習慣まで失う可能性もあります。また、誤った操作から誤作動を起こし、親から何度も電話がかかってくるかもしれません。認知症の症状が進行したとしても、シンプルで分かりやすく、扱いやすい家電であれば、長く使える可能性もあります。例えば、テレビのリモコンは、必要最小限のボタン数まで絞ったものが販売されています。長年使っていた家電と同じメーカーの家電にすると、ボタンの配置や操作方法がそんなに変わらず、親も戸惑わずに済むので、メーカーを変えないのも、家電の買い替えのコツです。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」