認知症の症状は、1日の中で大きく変化します。短時間の滞在で親の元気な顔を見て安心し、しばらくして家に帰ったら、認知症が進行していて驚いたという話もあります。認知症を早期で発見できれば、進行を遅らせたり、長く親らしく暮らすことができたり、または介護の態勢を整え、親と自分の将来について考えたりする時間が生まれます。できれば、親の家に泊まって、朝から夜中まで、1日の変化を見てください。

結論
認知症の症状は短時間で判断できない
例えば、夕方になると自分の家にいるのに家に帰りたいと言ったり、ソワソワしたり、家を出てひとり歩き(徘徊)を始める夕暮れ症候群という症状があります。また、夜でも眠らない、急に活動的になる、暗闇を不安がる、大声で寝言を言う人もいます。
解説
認知症の症状例 1日の流れ
夜中
- 昼夜逆転
- 不眠
- 夢と現実の違いがわからない
- 大きく足と手が動く
- 大声で寝言を言う
朝
- 朝か夜か判断できない
- ぼんやりする
- 薬の飲み忘れ
昼
- 薬の飲み忘れ
- 昼寝後に自分の居場所が分からなくなる
- ずっと寝ている
夕方・夜
- 夕暮れ症候群
- 薬の飲み忘れ
できれば数日滞在して症状を見極めたい
可能なら1週間程度、親と一緒に過ごしてみるといいでしょう。親が、曜日単位で決まっている家事やイベントを、きちんとこなしているか確認できます。例えば、曜日ごとに違うゴミの収集ルールに親はきちんと対応できているか、毎週ある地域のサークル活動に参加できているかなど、各曜日で決まった予定を忘れていないかチェックしてみましょう。
また親と同居する家族から認知症の症状を訴えられても、目の前にいる親が元気なので、信じようとしないというケースもあります。この場合も、親と1日ではなく、1週間生活してみると、同居する家族の訴えが正しいと理解できるかもしれません。
親の認知症の症状をしっかり見極めるためにも、数日単位で生活を共にする機会をつくりましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」