
結論
確認しておきたいハザードマップ
台風や地震などの自然災害に、離れて暮らす親が見舞われる可能性があります。ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・経路など防災関係施設の位置を表示した地図のことで、洪水・噴火・地震・津波・液状化の災害リスクが示されています。親の家や介護施設のある場所が、ハザードマップでどう表記されているか確認しましょう。次に、親が暮らす市区町村の避難行動要支援者名簿に登録しておきましょう。登録には、個人情報の提供への同意が必要になるので、子がサポートしてください。
防災は公助・共助・自助
防災には、自治体や警察・消防などの公助、周りの人と助けあう共助、自分の身を守る自助があります。猛烈な台風で家から出られないとき、公助や共助だけを頼りにしていては、離れて暮らす親を守れません。緊急時に子がどう行動するか、非常袋の準備や避難ルートの確認なども必要でしょう。万が一、認知症の親が避難所生活を強いられてしまった場合、生活できる限界日数は平均で3・11日という調査結果があります。急激な環境の変化にとまどい、不穏になったり、ひとり歩きを始めたりする方もいますし、特に認知症の人へのおむつ交換のスペース確保や落ち着いて排泄できる場所がないなどの排泄面で苦労を強いられます。一般避難所での生活が困難な高齢者のための、福祉避難所が開設されることもあります。最初からある一次避難所ではなく、二次避難所として開設されるので、最初は一次避難所へ逃げてください。
災害に対する準備と対策
地震・津波
- 津波避難場所、津波避難ビルの確認
- 家具の転倒や落下を防止する対策
- 寝室に倒れる家具を置かない
- 高台の確認
台風・洪水
- 台風の進路の確認
- 進路予報を見て、親のもとへ行くか決める
- 風で飛ばされそうなものを片付ける
- 窓ガラスに飛散防止のフィルムを貼る
災害への準備
- ハザードマップの確認
- 一時避難場所、広域避難場所、避難所の確認
- 避難ルートの確認
- 非常用品の準備(介護用品、お薬手帳、パーティション)
- 市区町村の災害対策助成金を調べる
安否確認の方法
- 災害用伝言ダイヤル(171)
- 災害用伝言板web171で検索(パソコン)
- 携帯各社専用メニュー、公式アプリ(スマートフォン)
- J-anpi(安否まとめサイト)
情報収集
- NHK防災アプリ
- 市区町村公式Twitter
災害時の公助や共助には限界があります。自分親は自分が守るという自助の意識も忘れないようにしましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」