解説
貼り紙は大きくはっきり書く
認知症の親に注意を促したり、電化製品の使い方を教えたりする貼り紙は、介護にとても役立ちます。例えば、親がトイレの水洗ボタンの位置を忘れてしまったり、台所の水を流したままにしたりしても、壁に貼り紙をしておけば、忘れずに対応してくれる確率が高くなります。親と離れていると、直接伝えることができないので、貼り紙にその役割を担ってもらい、親の自立を促します。貼り紙は親に分かるよう、文字は大きくはっきり書き、理解できない横文字言葉は使わず、簡潔な言葉を使いましょう。また、絵やイラストを加える、色を使うなどの工夫をすると、さらに分かりやすい貼り紙になります。貼り紙は、親の目につきやすい場所に貼らないと、効果はありません。
貼り紙の貼り過ぎに注意する
親に自立した生活を長く送ってもらいたいと思うあまり、子は貼り紙を家中に貼ってしまいます。認知症の人は、複数のことに同時に注意を配るのが苦手なので、貼り紙は貼り過ぎず、必要な場所に限定して貼りましょう。貼り紙をセロハンテープで貼ると、紙がめくれたり、はがれ落ちたりすることもあります。また、親が理解したつもりになって、貼り紙は必要ないと、はがしてしまうこともあります。貼り紙をラミネート加工しておけば、劣化することなく長期で利用できますし、強力な両面テープ等で接着しておけば、親は簡単にはがせなくなります。また、腕に巻き付けるリストバンドタイプのメモは、バンドに直接書き込みが可能です。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」