
結論
離れていると何もしてあげられない罪悪感
離れて暮らす親の介護をしていると、会いに行けない、一緒にいてあげられない、ご近所や介護スタッフに世話になりっぱなしで申し訳ないといった罪悪感が生まれやすくなります。罪悪感を解消しようにも、自分の仕事や家庭を優先してしまうため、介護が先送りになりますし、認知症が進行する親の姿から目を背け、ますます足が遠のき、罪悪感や無力感が増えていきがちです。わたしの講演会に参加した、全国の介護者の話を聞いていると、罪悪感の根源はマイルールにあると感じます。自分から見る周りの目や自分の中にある道徳観などから、自分自身を責め、苦しんでいる方が多くいます。介護は他人に頼らず家族がやるべき、施設ではなく家で介護するべき、嫁や女性が介護するべきなど、抱えきれないほどの「べき」で自分自身を縛っています。しかし、その「べき」は、本当に正しいのでしょうか?親は、子が自分の人生を犠牲にしてまで、介護して欲しいと思っているのでしょうか?
マイルールに縛られない介護をする
親と離れ、身体的な介護ができなくても、やれることはたくさんあります。例えば、介護保険サービスの手配をしたり、本書にある制度の手続きを進めたり、経済的に支援することもできます。マメに連絡することも立派な介護です。自分の中にある、たくさんの「べき」を解放し、他人や親族、世間体を気にせず、自分たち親子だけの理想の介護の形を見つけてください。介護で苦しむ子の姿を、親は喜ばないと思います。
離れていてもできる介護の例
- 親とまめに連絡を取り合う
- 介護保険サービスの手配をする
- 介護に関する情報を収集する
- 親と同居中の介護者をサポートする
- 親を経済的に支援する
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」