解説
認知症と認知症以外で違う看取りの希望場所
厚生労働省の調査によると、約6割の国民が「自宅で最後まで療養したい」「自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したい」と回答しています。ところが認知症が進行し、身の回りの手助けが必要で、かなり衰弱が進んだ場合は、自宅より病院や介護施設で過ごしたい人の割合が増えます。理由は、自宅では家族に迷惑をかけてしまうと考えるからです。亡くなった祖母の看取りも、病院でした。介護が始まったときには、すでに認知症が進行していたため、祖母の意思は確認できませんでした。当時は在宅医療や自宅で看取る選択肢を知らなかったのですが、今なら病院の面会時間や周りの目を気にする必要のない、自宅での看取りを選びます。
最期は自然に看取るか医療的ケアを望むか
病院で看取る場合は、ターミナルケア(終末期医療)が行われ、点滴や酸素吸入といった医療中心のケアが行われます。在宅でも、ターミナルケアは受けられます。似た言葉で、看取り介護があります。こちらは、終末期に自宅や施設で提供される食事、排泄など、日常生活の介助を中心に行うものです。看取り介護を実施している施設は多いですが、中には実施していない施設もあります。最期は自然な看取りを望むのか、ギリギリまで医療的なケアを望むのかによっても、看取りの場所は変わってきます。改めて人生会議で話し合ってきたことやエンディングノートなどで、親の意思を確認し、病院、介護施設、自宅のうち、どこで看取るかを考えましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」