
結論
親の家を片づけるには時間もストレスもかかる
認知症の親の介護が始まると、必ず親の家を片づける(親家片)日がやってきます。例えば、親の認知症が進行して、片づけが難しくなり、家がゴミ屋敷化してしまったときや、親を子の近くに呼び寄せて、家のモノがいらなくなったとき、施設への入居が決まったとき、遺品整理のときなどに家の片づけが必要になります。親家片は、単なるモノの片づけとは違い、親の思い出と向き合う時間です。親子の思い出の品を大切に取っておいてくれた親への感謝の気持ちだけでなく、同じモノばかり購入している、不要なモノを捨てずに保管している親への怒りなど、家にある膨大な量のモノに対して、喜怒哀楽の感情がうごめいたり、認知症の進行を感じたりする作業が親家片です。遺品整理ならば、子がモノを廃棄するかしないかを自由に判断できますが、親が生きていると「もったいない」といって片づけられず、親の説得が必要になりますし、ときにはケンカにもなります。
思い出の品は大切にとっておく
家具の配置が変わったり、使い慣れたモノがなくなったりすると、認知症の親が混乱する可能性もあります。一方で、家のモノが多すぎると、整理整頓ができずに、床にモノが散らかって、転倒のリスクが高まります。親の安全を確保しつつ、生活環境を急に変え過ぎないよう、バランスを取りながら時間のあるときに少しずつ片づけてください。大切にしていた思い出の品に触れることで、親の気持ちが安定し、脳が活性化するので(回想法といいます)、廃棄せずにとっておきましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」