
結論
高齢者緊急通報システムを知っておこう
離れて暮らす親が、病気や事故など緊急事態に陥っても、家族がすぐ駆けつけられない不安は常にあります。多くの市区町村には高齢者緊急通報システムがあり、65歳以上のひとり暮らしの高齢者、または高齢者のみの世帯に対して、自宅の電話機に接続する緊急通報装置や緊急ボタンつきペンダントなどを貸与するサービスがあります。緊急ボタンを押すと、民間の警備会社や消防署に通知がされ、電話確認後に家へ急行します。まずは、親が住む地域の役所に問い合わせて、システムの利用条件を確認してください。すでに民間の見守りサービスを利用している方は、別途費用がかかりますが、オプションで駆けつけサービスを利用してもいいでしょう。また、介護保険で提供される定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、訪問介護・看護両方のサービスを、日中・夜間の定期巡回と、緊急時に24時間365日、ナースコールのように連絡を取ることができる随時対応が受けられます。認知症で自宅の生活に不安があったり、1日複数回の服薬や食事介助が必要だったりする場合にも有効なサービスですが、対応する事業所数が少ないのが課題です。
いくつもの目で定期的に見守る
これらのシステムは保険にはなりますが、認知症の親がいざというときに、高齢者緊急通報システムの緊急ボタンを忘れずに押せるかは、分かりません。介護保険サービスなど、人の目による定期的な見守りを軸に、見守りカメラ等で離れて暮らす親の様子を定期的にチェックするなど、日頃からいくつもの目で親を見守る工夫も必要です。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」