複数の親の介護が同時に起こるケースも。
シングルの場合、親は2人。結婚している場合は4人。だいたい同じような年代なので、同時期に複数の親に介護が必要となるケースがあります。「同時多発介護」とか「多重介護」などと呼ばれています。
結論
介護だけでなく、晩婚傾向のため、子育て期に親の介護が始まる「ダブルケア」のケースも珍しくなくなってきました。自分の生活がある上に、複数の家族のケアが発生すると悲鳴をあげたくなります。この現状を受け入れるには時間がかかると思いますが、それでも直面したからには対決が必要です。配偶者やきょうだいと事情を共有し、負担をできるだけ分担するようにします。
子ども(親からすると孫)がある程度の年齢になっている場合は、彼らも巻き込み、無理のない範囲で手伝ってもらうことも必要になるでしょう。ちょっと様子をのぞいてくれるだけでも助かります。
解説
ケアマネジャーに事情をしっかり伝える
そして、親の担当のケアマネジャーに、同時にケアを要する家族がいて、時間的・精神的にゆとりがないことをざっくばらんに話すようにしましょう。
利用可能な社会資源をトコトン利用した上で、家族にしかできないことは何であるかをケアマネジャーと話し合います。それをふまえて家族と対話を重ね、役割分担の調整を行います。
ただし、このようにしても難しくなってくることもあります。人間誰しも1日24時間しか持ち時間はないのです。在宅を熱望する親に施設や病院へ入ってもらうなど、本人の意思を尊重できない事態も致し方ないという割り切りも必要になってきます。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」