介護のため、仕事を休まなければならなくなった生活状況を守ってくれる法律ってあるの?

結論
介護休業制度
介護休業をサポートする法律働く人々が、家族を介護するために、一定の期間休業することができる「介護休業制度」があります。育児・介護休業法という法律で定められています。
解説
介護休業をサポートする法律
勤続1年以上であればパートや派遣社員を含めておおよその労働者が対象となります。期間は対象家族1人につき、通算93日まで3回を上限として分割取得できます。93日では短いと感じるかもしれませんが、サービスの体制を整えたり、施設探しやその契約など仕事と介護の両立の準備をするための期間という位置づけです。介護休業開始日の2週間前までに事業主に申し出ます。介護休業の取得率は低く、数%程度。その一方で、2017年には介護を理由に約9万9000人が離職しています(平成29年就業構造基本調査)。
「介護休暇」や「短時間勤務制度」も
また、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、半日単位で休暇を取得することができる「介護休暇」や、短時間勤務やフレックスタイム制、時差出勤などが可能になる「短時間勤務制度等」もあります。
大手企業には、法定以上に制度を充実させているところもあります。自分の働く会社の制度内容を確認しましょう。就業規則に記載がない場合でも、法律が優先されるので利用できます。企業は、要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒否したり、その申出や取得を理由に解雇やその他の不利益な取り扱いをすることは禁止されています。同僚や部下に「よく休めるね」などと言うのは、重大な介護ハラスメント。防止策を講じることも企業の義務です。
介護で仕事を休める法律
介護休業
労働者は、要介護状態の対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、
通算して 93 日まで介護のために仕事を休むことができます。
短時間勤務制度等の措置
事業主は、①短時間勤務制度、②フレックスタイム制度、③時差出勤制度、
④介護サービスの費用の助成のいずれかの措置を講じなければなりません。
介護休暇
対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に 10 日まで、要
介護状態にある対象家族の介護その他の世話のために仕事を休むことができ
ます。
法定時間外労働の制限
1ヶ月に 24 時間、1年に 150 時間を超える時間外労働が免除されます。
深夜業の制限
深夜業(午後 10 時から午前5時までの労働)が免除されます。
転勤に対する配慮
事業主は、就業場所の変更を伴う配置の変更を行おうとする場合、その就業
場所の変更によって介護が困難になる労働者がいる時は、その労働者の介護
の状況に配慮しなければなりません。
不利益取扱いの禁止
事業主は、介護休業などの申出や取得を理由として解雇などの不利益取扱い
をしてはなりません。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」