地域包括支援センターなどで相談すると、「主たる介護者はどなたになりますか?」という質問が返ってきます。字面だけだと全ての責任を背負ってしまうような質問になりますが、その「主たる介護者」がどのくらい介護できるかを考慮した上で、できない部分をサービスで補う形でケアプランを立てることになります。
結論
両親がいる場合だと、通常、元気な方の親が「主たる介護者」となります。もしくはその親も元気な状態ではない場合だと、同居している子や距離的、心情的に近い人が「主たる介護者」となります。
解説
調整・交渉役の「キーパーソン」
「主たる介護者」が「キーパーソン」になる場合もありますが、高齢者の介護者になると難しくなります。要介護者本人の意向をしっかりと聞き、家族間で意見を調整し、外部の人と交渉する役割を誰が担うのか、家族で話し合って決めておく必要があります。
例えば、長男からは「施設を探して欲しい」と希望があるものの、また別のものからは、「ホームペルパーを利用したい」など、家族間で意見の食い違いがあっては、担当者としても困惑してしまいます。しっかりと調整し、窓口を一本化する必要があります。
みんなで介護する体制
窓口とは言え、「キーパーソン」が決定権を持っているわけではありません。意見が食い違う場合は、しっかりと話し合いをしましょう。また、キーパーソンは、必ずしも身近にいる者がベストとは限りません。家族によっては「長男」「長女」が適していたり、あるいは常日頃から渉外の仕事をしているような子が向く場合もあります。「主たる介護者」に何でもかんでも任せるのではなく、家族間で役割を考えることが大切です。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」