厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成28年度)によると、65歳以上の高齢者同士で介護を行う老老介護の世帯の割合は、54・7%です。老老介護の問題点として、介護者の筋力低下が原因で、思うように身体介助ができない、介護者自身にも健康上の問題があり、共倒れのリスクがある、無職で収入がない、社会から孤立していることなどがあります。また、老老介護の中に、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護する認認介護もあります。山口県のデータでは、老老介護のうち、認認介護の割合は10・4%でした。認認介護の問題点として、薬の飲み忘れ、食事の準備や金銭管理の困難、火事のリスクなどがあります。
結論
「老老介護」「認認介護」の問題点
離れて暮らす高齢の親を、同じく高齢のもう片方の親や親のきょうだいが介護していたり、高齢の親がさらに上の世代の、自分の親を介護していたりするケースもあります。
親から連絡がないと、元気にやっていると思いがちですが、子どもに迷惑をかけたくないから、連絡しないだけかもしれません。老老介護や認認介護が深刻になる前に、親の様子をチェックしておきましょう。両親の共倒れから、子が急に介護することになり、介護離職する人もいます。
解説
子は頭を使って親を支える
親の介護の状況を知って、子は自分で介護をしようと考えがちですが、親が利用していないサービスや制度の調査から、まずは始めてみましょう。親より子のほうが、情報収集能力に長けています。親の介護を、知恵や工夫で支えてあげるのも立派な介護です。
老老介護・認認介護の問題点
老老介護
- 介護する側、される側ともに体力が低下する
- 介護疲れしやすく、介護の限界を迎えやすい
- 第三者を家に入れたくないという思いから、孤独な介護へ
- 収入源が年金のみで、経済的に困窮する
- 社会から孤立し、地域との交流がなくなる
認認介護
- 訪問販売・特殊詐欺被害にあいやすい
- 服薬管理が難しくなる
- 金銭管理ができなくなる
- 介護サービスにたどりつけない
- 感情が抑えられず、虐待や心中のリスクも
- 火の不始末が起こりやすい
- 食事の準備を忘れ、低栄養状態になる
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」