解説
看取り期は介護の態勢が大きく変わる
看取り期と呼ばれる時期の介護は、通常時の介護とは違い、介護に関わる頻度が増えます。病院、施設、ケアマネと調整したり、親の日常生活をサポートしたりするなど、多忙になります。認知症の親の意思疎通が難しくなると、自分の症状がうまく訴えられなかったり、自己判断ができずに、病院や施設から家族としての意向を求められたりします。また、これまで介護に関わってこなかった親族が急に介入し、家族間の調整に追われる可能性もあります。わたしの祖母や父の看取り期の介護も、医療や介護との調整と家族間調整の連続で、大変な思いをしました。忙しい看取り期になる前に、エンディングノートを準備しておけば、病院などから家族の意向を求められても、慌てずに答えられます。
看取り期の介護は「自分の健康」を最優先
親の最期の瞬間に立ち会いたくとも、急に亡くなってしまうこともあります。逆に、余命宣告の期間以上に、親が頑張って長生きすることもあります。看取り期の介護で最も大切なことは、自分の健康です。もし、余命宣告の期間以上に親が生きてくれたとき、自分がボロボロになっていたら介護が続けられなくなります。また、親が亡くなったあとにやってくる葬儀の手配や役所の手続きにも影響します。看取り期は緊急事態なので、職場や家族の協力も得やすい状況にありますが、最期の瞬間までキーパーソンとしての役割を全うしなくてはなりません。そのためにも、無理のない介護を行い、周りからのサポートを積極的に受けましょう。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」