
結論
認知症のこれまでの歴史を理解する
かつて認知症が痴呆症と呼ばれていた時代、病院や施設では、認知症の人を身体拘束したり、隔離したりして、人間としての尊厳すら保たれていませんでした。そういった時代が長かったためか、未だに認知症の人に対しての差別や偏見はなくなっていません。前述にある、認知症当事者の団体が発表した『認知症とともに生きる希望宣言』には、認知症になったら、何も分からない、何もできない人になるわけではないという当事者の声が書いてありますが、実際に認知症の人と接した経験がなければ、イメージが湧かないかもしれません。
認知症介護は少しずつ進化している
認知症の人らしさ、本人の意思を尊重した認知症介護へ変わりつつある現代であっても、「さっさと精神科病院に入れればいい」と言ったり、「痴呆の人」と差別的な表現を使ったりする人はいます。隔離や身体拘束が当たり前だった時代から比べれば、現代の認知症介護は大きく進歩しましたが、すべての人に認知症への理解を求めるのは、これから先も難しいかもしれません。そうだとしても、認知症のこれまでの歴史を知っておくことで、歩みは遅くとも少しずつ認知症介護が進化していることを理解してください。
参照:「親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと」