ひと昔前、世間では介護は女性の役割と位置づけられていました。けれども女性の社会進出が進み、また介護保険制度ができ、意識は大きく変化したといえるでしょう。
結論
すでに述べた通り、子は皆同じ立場です。一方、妻が夫の両親を看る法的義務はまったくないといってよいかもしれません。「嫁」の立場の者が義父母の介護を行うケースは、データ的にも大幅に減少しています。
さらに、介護には契約・決断・資金計画などの行為も多く、義理の関係の親子では立ち入ることが難しい面が増えています。サービスの利用をすすめることは、お金を使うことでもありますから。男女問わず、「自分の親は自分で看る」という考え方が定着しつつあります。もちろん、その配偶者もできることは手伝うというスタンスだと、よりスムーズでしょう。
解説
避けたい「介護離婚」
それでも、配偶者に親の介護を強く希望する人もいます。遠距離介護の場合でも、現役引退の時期を迎えて、Uターンを考えることがあります。実際、定年を迎えた段階で実家にUターンをして親の介護をしようと決意した男性がいました。当然、妻も自分の考えに従って、ついてきてくれると信じていたのですが、妻の決断は「離婚」でした。妻には妻の思い描いた老後の暮らしがあったわけです。
夫婦間で、親の介護に対してまったく違った考えを抱いているかもしれません。先送りせず、早めに話し合うことが大切です。
男性介護者が孤立しないために
男性介護者と支援者の全国ネットワーク
男性介護ネット:https://dansei-kaigo.jp/
男性介護者が増え、ネットワークもできている
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」