「介護保険なんて申請するな」と親に怒鳴られた!
「人の世話になりたくない。何も困っていない」
「他人が家に来れば疲れるだけだ」
言い返しても親子喧嘩になって、互いに消耗するばかりです。
介護を抱え込まないためには、さまざまなサービスを上手に利用することが重要です。そのことを介護者が理解していても、当事者の親から頑なに拒否されることがあります。

結論
介護保険サービスに抵抗感がある場合は、、、
- 子の言葉に耳を貸さない親には、かかりつけの医師から申請を勧めてもらう
- 介護保険のサービスといえば、ホームヘルプサービスやデイサービスだけだと考えている親は多い。医療職は受け入れる親が多いので、「介護保険を申請して、看護師さんにきてもらおう」と提案する
- 「介護保険で申請すれば、安定したお風呂の椅子をたった1割(2割、3割)負担で購入できるんだよ」とお得感をアピール
ホームヘルプサービス利用を嫌がる親には、、、
- 楽をすることはいけないことと考える親世代は多いので、母親に「ヘルパーさんに来てもらえば、お母さんの負担が楽になる」という言い方はNG。「お父さんの自立のために来てもらおう」と提案してみる
- お試しで「1ヶ月だけ」「1回だけ」「ダメだったらやめよう!」と言って了承を取り付ける。実際に来てもらうと、受け入れるケースが少なくない
解説
介護保険申請の「成功」事例とは
言い争いをしていても、らちが明きません。親のことを「やっかいなクライアント」くらいに捉え、どう話せば耳を貸してくれるかを考えましょう。
例えば、子どもの言うことに耳を貸さない親も、信頼する第三者の言葉は聞き入れる傾向にあります。親のかかりつけの医師から介護保険の申請をすすめてもらったところ、「先生が言うなら」と申請・利用に同意したケースは数多いです。
また、介護保険のサービスといえば、ホームヘルプサービスやデイサービスだけだと考えている親は多いもの。そんな親には、住宅改修のサービスを提案してみるのも一案です。手すりを付けたり、段差撤去をしたりするのですが、20万円の工事でも、介護保険を使えば1割負担の親なら支払いは2万円。「住宅改修をするために、介護保険を申請する」と理解を促すのです。同様に、福祉用具購入のサービスを提案してみてもいいでしょう。安定感のある入浴用のいすには、1〜2万円ほどする商品もあります。介護保険を使えば、1割、または2割、3割の負担で入手できます。
ホームヘルプサービスも拒否されたら
一方、ホームヘルパーの利用を拒む親も珍しくありません。実際、何とか介護保険の認定を取り、ケアプランを作成してもらったのに、ホームヘルパーが訪問する直前に、「今日は出かけます」と事業所に電話してしまったり、「今日は結構です」と帰してしまったり……というケースを耳にします。話し合いを重ねることが重要ですが、なかにはちょっとした工夫で導入に成功した事例もあります。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」