近年、独身のまま親と同居している子は増える傾向にあります。そして、同居する親に介護が必要となると、その者が中心となって介護をするケースが多くあります。

結論
一対一の介護は虐待を生みやすい
独身の子が介護を行うことになった場合、親と自身が一対一で向き合うようになり、閉塞感が生まれがちです。介護保険をはじめとするさまざまなサービス、制度の情報に巡り合う機会も乏しくなり、結果として大きなストレスを背負うことにもつながります。
また虐待の当事者となる者として、「息子」がもっとも多くなっています。さらに、その半数以上が、要介護者と二人暮らしであることが分かります。
独身に限らず、「女性だから」「長男だから」という周囲からの圧力を察知することがあるかもしれませんが、1人だけで介護を担うことは大変危険だと認識しましょう。
解説
介護要員となりやすい「独身」
親だけの世帯で子が複数いる場合にも、独身の子が「主たる介護者」になりがちです。きょうだいはもちろん、親戚、さらには当事者である親もそれを期待します。確かに独身なら、別居している場合でも引っ越すのは1人なので身軽な面もあるでしょう。
しかし、「独身」には配偶者がいないので、一輪車走行です。当人はもちろん、周囲の者もその実情を理解して押し付けず、皆で負担を分け合う体制を築くことが大切です。
高齢者への主な虐待(家族、親子ゆえに自覚なく虐待をしているケースも)
- 身体的虐待(殴る・蹴る)
- 心理的虐待(暴言や無視)
- 経済的虐待(本人のお金を使わせない、勝手に使う)
- 介護放棄(必要な世話をしない)
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」