施設の概要や職員の配置状態、サービス内容、費用など、施設選びに欠かせない情報をまとめた詳細な説明書を「重要事項説明書」と呼びます。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅ともに作成されています。また、介護保険の各サービスでも作成することになっており、特別養護老人ホームなどでも用意されています。
結論
施設選びに欠かせない詳細説明書
パンフレットと合わせて目を通すことで、施設の詳細が見えてきます。通常、パンフレットには良いことばかりが主観的に記載されているのに対し、重要事項説明書には客観的な文言や数字が並んでいます。検討する他施設のものと比較して読み込むと、おおまかな状況が分かるでしょう。パンフレットと一緒に入手してください。
解説
「入居率」や「退去者の次の行先」も確認
例えば、重要事項説明書の「入居者」の項を見ると「入居率」が記されています。有料老人ホームの損益分岐点は開設後2年で80%程度といわれています。それより低い場合は、その理由を聞きましょう。また、「前年度の退去者数」も要チェック。退去後の行き先が、「自宅」なのか、「他の施設」なのか、それとも「死亡」したのかが記載されています。その他、各項目をじっくり読み込んでみましょう。
都道府県によっては、有料老人ホームの重要事項説明書の一覧表を、ホームページで公表しているところもあります。「東京都・有料老人ホーム・重要事項説明書」というふうに選択肢となる地域で検索してみてください。事前準備としていくつか目を通しておくと、イメージをつかみやすくなります。
重要事項説明書のここを確認!
生活支援サービス事業者
- サービスの提供者は誰か?(住宅事業者とサービス提供業者が異なったり、提供業者が複数の場合も)
住宅事業者
- 事業主体の名称は?
- 「事業主体が行っている主な事業等」の内容を確認
賃貸契約
- 「住宅概要」の欄で、入居契約書(普通賃貸借契約、定期借家契約、終身建物賃貸借契約)の内容と違いがないかを確認
サービスの内容
- 認知症や要介護が重くなってもサービス利用・居住できるのか?
- 住宅事業者とサービス提供事業社が異なる場合、その協力体制は?
- 事業者の変更があった場合の対応は?
月額利用料に含まれるサービス
- サービスの種類や内容は適当か?
- 利用回数は十分か?(上限はあるか?)
サービス利用料金
- 月額利用料の額が適当か?
- 一時金は必要か?
生活におけるルール
- 共用の浴室、洗濯機、キッチンの利用
- 外出、帰宅、家族の訪問
苦情対応
- 施設・住宅内での苦情対応窓口は?(対応時間、事故発生時の対応なども確認)
契約の解除
- 「入居者からの解除」と「事業者からの解除」の内容をそれぞれ確認
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」