特別養護老人ホームの入居については、待機者が多く、容易には入れないという報道を見かけることが多いのではないでしょうか。
特別養護老人ホームは、複数申し込みを行うことができます。そのため、重複した希望者によって実際以上に待機者の数が膨らんでいるのが現状です。
一方、最近では、どこもかしこも混んでいるというわけではなく、待たずに入れるところもあるので、希望地域を拡げて検討するのも手です。
結論
緊急性の高い人から入居できる
入居にあたっては、申し込み順ではなく必要性の高い人からとなっています。通常、要介護度は軽度より重度を優先。また、在宅サービス利用状況が少ない人よりも多い人を優先。認知症などが進行し、入居中の他施設からの退去を迫られているようなケースも優先されやすくなります。入居希望の自治体の役所に、判定基準がどのようになっているか聞いてみるといいでしょう。
当然ですが、介護者の急死など、緊急度が切迫するような状況の場合には、緊急入居の対応が検討されます。
解説
独居、夫婦世帯の優先順位は高い
身近な介護者の有無も大きな要素となります。一例ですが、次図表は北九州市が策定している「介護者」による優先度合いを示したものです。
同居の介護者が要介護3以上の場合、さらに県外に暮らしている場合のポイントが高くなっています。そこで、4章2でも説明したように、将来的に特別養護老人ホームへの入居が選択肢となるのであれば、「同居」は慎重に考えましょう。
参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」