親の入院・介護、何をすればいい?

すぐにすべきこと、お金のこと、考えること【親の入院・介護】

会話

不仲の親の介護【親の入院・介護】

投稿日:2020年12月23日 更新日:

世間には、「老いた親の介護を子がするのは当然」という考え方が存在します。

しかし、親子にはそれぞれの歴史があり、「親の介護なんてできない・したくない」と思っている子も少なくありません。例えば、幼い頃に親から虐待された子。虐待とはやや性質が異なりますが、「毒親」という言葉もあるように、親の支配のもとに苦しめられた子もいます。

その親に介護が必要になったら……?毒親として子を支配していた親は子のコントロール方法を熟知しているため、自分の介護をさせようと近づいてくるかもしれません。虐待や毒親とまではいえないケースでも、何らかの事情で、「顔も見たくない親」が要介護になったら?

結論

「同居」は避ける

まず言えるのは、「同居は避けたほうがいい」ということです。「親も年老いて、丸くなっているのでは?」と思いたいところですが、通常、そういうタイプの親は変わりません。同居はしないで、可能な限りサービスを利用してもらいましょう。施設に入ってもらうことも考えましょう。地域包括支援センターに行き、事情を説明し、相談してください。

あとは、「どこまでできるか?」を自問自答しましょう。「月に1回なら、顔を合わせることができる」と思うならそのようにすればいいし、「顔を合わせるのは無理」と思えば、入院・介護の手続き面だけを引き受けるという選択もありです。

なかには、親と会おうとすると動悸がして動けなくなるなど、適応障害となっている子もいます。そのような場合は、「関わらない」という選択も致し方ないと思います。それでも、「親を看ない自分に対する罪悪感が苦しい」という場合は、一度だけは、親の住所地を管轄する地域包括支援センターに行って、事情を話しておくといいでしょう。

解説

嫌だからと放置すると保護責任者遺棄に

相当な過去があるのに、無理に介護を引き受けると、弱った親を仕返しのようにいじめてしまう(高齢者虐待)こともあります。

一方、本当は顔も見たくない親と、すでに同居しているケースもあるかもしれません。「もう、嫌だ」と思うこともあるでしょう。だからといって、日常的に介護してきたのを急に放置すれば、保護責任者遺棄に問われかねません。

放置するのではなく、必ず、行政につないでください。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーにその旨を話せば、最悪の事態を避けるために、緊急枠でショートステイを利用できるようにするなど、検討してくれると思います。どうか、くれぐれも抱え込まないでください。

参照:「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版」

にほんブログ村 介護ブログへ

-会話
-, ,


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

入院・介護では「元気な親」への配慮も大切?【親の入院・介護】

会話

入院・介護では「元気な親」への配慮も大切?【親の入院・介護】

介護に必要なコミュニケーション力 増加する「老老介護」 親が入院すると、子はその親のことば…

続きを読む

介護保険の申請をしてくれない親【親の入院・介護】

会話

介護保険の申請をしてくれない親【親の入院・介護】

「介護保険なんて申請するな」と親に怒鳴られた! 「人の世話になりたくない。何も困っていない…

続きを読む

親が認知症と診断されたら【親の入院・介護】

会話

親が認知症と診断されたら【親の入院・介護】

親が「認知症」と診断された場合、子としても動揺するでしょう。その現実をなかなか受け入れられ…

続きを読む

親戚や親のご近所さんに「いつまで親を1人にさせておくの?」と言われる…【親の入院・介護】

会話

親戚や親のご近所さんに「いつまで親を1人にさせておくの?」と言われる…【親の入院・介護】

介護は家族だけでなく、社会全体で行うべきだという考え方から、介護保険制度が誕生しました。そ…

続きを読む

「介護に必要なコミュニケーション力」のまとめ【親の入院・介護】

HOME

第四章「介護に必要なコミュニケーション力」のまとめ【親の入院・介護】

「介護に必要なコミュニケーション力」についてまとめてみました。以下、リンク付きで記載してい…

続きを読む

40代に入り、いよいよ親の心配もで始めた感じではあるのですが、いざと言う時に何をどうすればいいのって、全くわからないことだらけ。わたしの年代だと同じ環境の方もたくさんおられると思います。

福祉の基本は「情報収集」と「自己申告」なので、自分から動かないと事態は何も進みません。親の入院・介護に直面した時に必要な知識を私も含め、いざという時、慌てないように知識を身につけていきましょう。